白洲正子と石塔寺


白洲正子が「初めて石の美しさを知った」と言う、念願の石塔寺に・・・



石塔寺は、天台宗の寺院。



受付を済ませ、この158段の石段を上がります。



階段をのぼるや否や、
白洲正子が「日本一の石塔」と称した三重石塔が目前に・・・



・・・「石塔寺へ最初に行ったのは、ずいぶんの前のことだが、
あの端正な白鳳の塔を見て、私ははじめて石の美しさを知った。
朝鮮にも、似たような塔はあるが、味といい、姿といい、
これは日本のものとしかいいようがなく、
歴史や風土が人間に及ぼす影響を今さらのように痛感した」

〜白洲正子著「かくれ里」より〜



また、司馬遼太郎はこの風景を、
「最後の石段をのぼりきったとき、
眼前にひろがった風景のあやしさについては、
私は生涯わすれることができないだろう」と書いています。



石仏の数が、
人間の悩みや苦しみの多さを、静かに物語っているようです。



この石塔は奈良時代前期の作とされ、
三重石塔としては日本最古・最大のもので、
国指定の重要文化財だそうです。



白洲正子や司馬遼太郎の愛したこの石塔寺。
階段をのぼりきった時の、あのザワザワとした胸の違和感は、
今も時々思い出します。

最後に見送ってくれた、
カラーの白い潔さが、ザワザワをやすらぎに変えてくれました。

投稿日時:2013.06.23(日) 18:03:41|投稿者:tohka